第九章 ベスト・パートナー編
1996〜2000


ピンク・レディー解散から早15年が経過し、時は再び彼女らの登場を求めた。
再度に渡る復活でその魅力を改めてしらしめてきた彼女らに今度求められたのは
・・・オトナになったピンク・レディー・・・
そして、彼女らのオリジナルといえるピンク・レディーの登場。
そんな新生PINKLADYがここに・・・



LOVE JAIL.
96年春、演歌的歌謡曲路線と決別をし、 MIE的な曲を発売。
ゴージャスなエンターテインメントにふさわしい楽曲の登場である。
レコード会社もポリドールからファンハウスに移籍。

セクシー・ダイナマイト炸裂のお色気ムンムンの新曲がこのLOVE JAIL.である。
当初、仮タイトルが「誘惑」だったことご存知だろうか?
結局はこの「LOVE JAIL.」で決定したが、やっぱ、この方がかっこいいね〜
だって誘惑ってタイトルなら、なんかまた歌謡曲路線の延長みたいだし、黛ジュンか中島みゆきかっ!ってとこだね。
※黛ジュンはご存知、天使の誘惑、中島みゆき作品にも誘惑ってありましたよね。

ま、結局は後期ピンク・レディーの延長がMIEちゃん路線なので、この曲は妥当ってとこかな?
解散後色んな事を試みてきたMIEちゃんでしたが、やっぱり歌って踊ってお客を酔わせるエンターテインメントが一番しっくりきます。

解散後第2弾の「モア・モア」もこの路線だったし、もっと言えばあの「マンデー・モナリザ・クラブ」もこのあやしい?お色気路線でしたからね〜

でも、このタイプの曲、はまるな〜かっこいい〜

このCDシングルは同じ曲がMIX違いで3トラック収録されていて、2トラック目のMIXがすんごいかっこいい。
オリジナルよりこっちの方がいいかな?などと思ってましたからね。

歌って踊る姿がイメージできる、MIEちゃん自身がやりたいこと。
その意図をすごく感じるのがこのLOVE JAIL.だと思います。




PINK EYED SOUL

ピンク・レディー復活!また?・・・と周囲も想ったかもしれない96年の暮れ。
やはりNHKで初めて彼女ら二人が揃った姿を見たときには、正直ドキッとした。
それも今回の復活のテーマは「ベスト・パートナー」
不本意な解散から15年。少しずつ雪解けの音が聴こえるような気がした。
解散から3度目のなる本格的な復活。
今回の場合、僕がもっとも嬉しく思ったのが、二人のイメージ。
前々回(84年)では後期ピンク・レディーの延長をイメージしていた。ニューアルバムもリリースし、あくまでも自力でのピンク・レディーを誇張していたよ うに思う。(音楽志向ってことかな?)
前回(91年)はそれよりももっと頭がやわらかくなったような印象。
それはピンク・レディーというひとつのムーブメントを作り上げたスタッフ陣、阿久、都倉、土居の3者が加わったことによるところが大きい。
そのことが意味すること。
それは、作られたスター・・・そういった意識が彼女らのどこかにまったく無かったとはいえないと思う。
もっと大人の歌を歌いたい・・・そう思いながらも出来てくる新曲は自分たちの意思とはまるで反対の曲ばかり・・・彼女らの中に本当にやりたいこと・・・そ れをやれないままただ時が流れていく・・・
でも、その時間が如何に偉大だったか、如何にセンスの高い楽曲ばかりだったか、その事に改めて気付いたのが91年の復活だったのではないだろうか?
だから、あのプロジェクトが再び名曲「2年目のジンクス」を届けてくれたのだ。

そして、今回の復活では、それらも越えて今度は更に上昇して、自分達の歌・・を届けてくれた。

時は1996年。時代は個性化を強く求め、更に人間らしさを求めた。
作られたもの・・ではなく歌い手本人が自分の言葉で歌う。
そういう時代だった。

昔は作詞家作曲家がいて歌手がいた。
シンガーソングライターといわれる人たちは歌謡曲とは無縁のところに位置していたからだ。

それがこの時代になるとアイドルといわれる人たちも自分の言葉で歌うようになっていった。
その人が伝えたいことそれを感じる時代になっていったのだ。

当時全盛期を迎えていた歌手は安室奈美恵。
スーパーモンキーズの一員から独立、独特の歌声とファッションセンスで若者たちを魅了していった。
アムラーという言葉からも彼女の存在感を感じる。
当時全盛だった小室哲哉の曲に激しい振りをのせて歌う。その様はあのピンク・レディーブームを彷彿させるものだったように思う。
ピンクと同じく日本レコード大賞も受賞した。

そんな安室がピンク・レディーと共演をしたことがあった。今や伝説の番組となった「夜もヒッパレ」がそれである。
LIVEコーナーでピンク・レディーと一緒に歌い踊ったのだ。
共演後、「ピンク・レディーの振りは難しい」と言っていた。それだけピンク・レディーの振りは一流のダンサーでも難しいと感じるほどのものなのだ。と当時 思ったものでした。

話を戻そう。
今回の復活で嬉しいことに二人のイメージがあった。と書いたがそれは何故かというとまず髪型。
解散後、常にロングが多かったMIEちゃんがこの時にはショートにしていたのだ。
やっぱりミーちゃんショート、ケイちゃんロングのイメージがピンク・レディーのイメージだった当時のファンの僕はかなり嬉しかった。
そしてもうひとつは衣装。
それまでの衣装はピンク・レディーなんだか、松田聖子なんだか、なんかわかんないようなアイドルチックなこのが多かった。
でも、今回NHKなどで着用していた衣装は白一色でホットパンツ。渚のシンドバッドを思わせるようなさわやかな印象だった。
ヘアバンドも白でアクの少ないかわいい二人がそこにはいた。

そして自分の言葉で歌う時代。
ピンク・レディーは自分達でプロデュースした「PINK EYED SOUL/BEST PARTNER」をリリース。
作詩はMie&KeiとKei&Mieである。
僕達ファンが嬉しくないわけががない。

オトナになった二人はPINK LADYだったことへの感謝とPINK LADYだったことへの自信をこの曲で披露してくれた。
まさしくベスト・パートナー。
ピンク・レディーはやっぱりミーとケイだからこそ・・・なんだとシミジミ実感したのでありました。





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